- MATLABを使って信号処理をしている方
- 脳波などの生体信号の解析をしている方
- 医学系もしくは医工学系の研究者の方
こんにちは.
みなさん,普段MATLAB使ってますか!?
今日はMATLABで生体信号を解析している人にオススメの本の紹介をするのです!
EEGLABなんかの有名どころがあるので割と脳波解析ツールとして使用している人も多いのですかね!
学会とかに行くと,案外使われていたりしますが,未だ使用したことがない人は一度は使った方が良いですね.
周りに使ったことがある!と言う知人がいなくても大丈夫です.
おすすめな本があります.
MATLABで学ぶ生体信号処理も気になる方いればざっと感想書きます( ´ ▽ ` ) pic.twitter.com/8SWDjqw22i
— けんゆー@博士課程 (@kenyu0501_) October 30, 2018
「MATLABで学ぶ生体信号処理」かなり優秀です.
また,2018年10月に出版されていてかなり新しいです!
今日は使ってみた感想を書きます.
どのような人向けの本?
生体信号処理を主に行っている人であればおすすめです.
プログラミングの知識が必要ではないので,医学部生なども使用できると思います.
著者の小野弓絵先生の研究室はこちら
身体障碍者用のブレインコンピュータインターフェース(BCI)のアプリケーション製作や,脳波とfNIRSのハイブリッド計測による脳機能測定などを行っていて,おいらも刺激を受けました.
小野先生が生体信号(脳)をガンガン解析されていると言うこともあり,個人的に読んでいて楽しかったです笑
MATLABを使ったことがないと言う人も,第1章と第2章で基本的な使い方が詳しく載っているので安心でした!
どのような内容なの?
生体信号を解析するための基本的なツールをしっかり学習しましょう!という本です.
本書では,周波数解析やフィルタリング,加算平均などといったものが中心です.
各章の目次は以下の通り.
- はじめに:MATLABを使う準備
- MATLABの基本操作
- 自発脳波データの周波数解析
- 誘発脳波データの加算平均処理
- 心電図と心拍変動解析
- 筋電図の解析
- fNIRSデータの解析
- MATLABによる統計処理
で構成されています.
目次を見てもわかりますが,脳波信号に限らず,心拍や筋電などの生体信号を取り扱います.
また,脳波信号の解析をMATLABで詳しく覚えたかったら,「脳波解析入門」と言う本が非常にオススメです!
(参考:「脳波の解析はツールを使いこなせばかなり簡単です!みんなやろう!!笑」)
サンプルデータがあるので実際にデータ処理を体験できる!
脳波もそうですが,生体信号のサンプルデータの提供があります.
本書を買ってみてのお楽しみです.
個人的に,この本書の解析で面白かったのは,心電図データ解析とfNIRSデータの解析です.
(これまでこれらの解析はじっくりしたことがなかったので,,,)
心電図はRR間隔(1心拍ごとの間隔)やAR(自己回帰)モデル,ポアンカレプロットなど面白かったです.
MATLAB使うと超楽です.
今後,脳波計測実験の時には,脈拍も同時計測します.解析の幅が広がりました笑
またfNIRSとは,脳内の血液の流れの動態から脳活動を計測したものです.
近赤外光を用いて赤血球中の酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンによる吸収と拡散により計測されます.
つまり,ニューロンの活動時に消費される酸素量(血液によって運ばれる)を計測して脳活動を推定しているのですね.
やはりより厳密に脳機能を調べたかったら,時間分解能の高い脳波と,空間分解能の高いfNIRSを同時に扱わないといけないですね.
と,,,思い知らされましたのです.
本書のチュートリアル(右手の指をタッピングさせる実験データ)を触ってみて面白かったのでNIRS装置欲しいですが,高いのですよね...笑
超簡易なやつで50万円かー...
(参考:「HOT-1000〜携帯型能活動計測装置〜| NeU」)
ううう,,,