【脳のイメージング】は,脳の研究に携わりたいと考えている人が最初に読んでおくと良い本
この本のポイント
  • 脳の活動の計測の方法について学べる.
  • 脳波や脳磁図,fMRIなど代表的な脳波計測の原理について学べる.
  • 近年の研究動向と絡めた解説がある.

こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
脳のイメージング」という本を読んだので,レビュー記事を書いておきます.

タイトルにも書きましたが,今後脳の研究に携わりたいと考えている人は,一番初めに読んでも良い本だと思います.
その理由などについても色々と深掘りしていきます.

脳のイメージング概要

脳のイメージングとタイトルがついていますが,この本は,脳活動の計測の方法その原理に関することがメインです.
脳の活動を見るということが想像できない人もいるかもしれないのですが,実は計測する手段はかなり多いです.
例えば,脳波脳磁図fMRI(機能的磁気共鳴画像)NIRS(近赤外分光法)PET(陽電子放射断層法),などなど,これ以上に多くの計測方法があります.

この本では,脳の活動の理屈をしっかりと明記しておきながら,その活動のどこの部分に注目して計測をしているのかが,書かれてあります.

そのため,脳の活動自体も理解できるのと同時に,計測方法についても理解できます.

しかも,計測方法の原理までしっかりと書かれています.
説明の際に,多少の数式はありますが,なるべく数式は使わないように心がけられていると思います.
(なので,初学者にオススメしておきます.)

おいらは普段,脳波のことばっかりをやっているので,fMRINIRSなどはざっくりとしたことしか分かりませんでした.
しかし,この本を読んで,ある程度原理原則の理解を深めることができました.

ペンのすけ

また,歴史的なことも書かれているので,背景知識も得られて,ためになるよ!

論文による裏付けがあり説明される

説明の際に,ただ淡々と機能や原理を説明していくものではなく,最新の研究と絡めた説明をしてくれます.

例えば,脳波の計測だと,自発性脳波の活動がなぜ注目されているのか?などの説明を同時にしてくれているので,脳波研究の現状の動向などが把握できます.
それによって,今やっている実験の計画をちょっと入念に熟考できると思います.

本の出版自体も2016年1月ということもあり,そこそこ最新の情報が入ってくるのでオススメです.
研究の方向性などに迷っている大学生・大学院生にもオススメできます.

目次の紹介

・第1章 非侵襲脳波計測とは
・第2章 脳の構造と局在性
・第3章 神経活動と脳血流カップリング
・第4章 脳波 (Electroencephalography)
・第5章 脳磁図 (Magnetoencephalography)
・第6章 磁気共鳴画像 (Magnetic Resonance Imaging: MRI)
・第7章 近赤外線スペクトロスコピー (Near-Infrared Spectroscopy: NIRS)
・第8章 PET/SPECT (Positron Emission Tomography / Single Photon Emission Computed Tomography)
・第9章 系頭蓋磁気刺激 (Transcranial Magnetic Stimulation : TMS)
・第10章 脳機能イメージングの今後の展望
・第11章 おわりに

目次だけ紹介しておきますが,章ごとに各計測手法が取り上げられていて,詳しく紹介されています.
おそらく,一冊にここまで統一された本はなかなかないと思います.

脳の研究を始めたい!と志している人も,まずはどのような方法があるかを知っておかないと,時間の無駄にもなりますし,ぜひ初めに読んでおきたい一冊です.

動画配信

脳機能の非侵襲な計測方法の種類に関して!

脳機能の計測の種類についてざっくりと紹介してます.
1. 脳波 (EEG : electroenchephalography)
2.脳磁図 (MEG : magnetroencephalography)
3. 機能的磁気共鳴画像 (fMRI : functional magnetic resonance imaging)
4. 近赤外分光法 (NIRS : near-infrared spectroscopy)
5.陽電子放射断層法 (PET : positron emission tomography)