- 医学と工学を専攻する学生の方
- フレーミング効果などによる心理的作用が気になる方
- Nudgeについてざっくり知りたい方
こんにちは.
情報提示の仕方についてちょっと考えていきたいと思います.
いきなり本題に入るのですが,手術を受けるとき,お医者さんに「生存率が99%」と言われるのと「死亡率が1%」と言われるので,心理的にどう違うか,という話を先にしたいです.
これ,どちらも生存率は同じですよね.
99%です.
患者さんが手術をされる際の意思決定としては,どちらの方が前向きに望めるでしょうか.
おそらく,「生存率が99%」と言われた方が,患者さんは前向きに手術に望めるような気がしますね.
人間には感情がありますから,ロボットのように数値は数値ではないのです.
そこには不思議な力があります.
数字にはパワーがあるのだ!
こういうものは「フレーミング効果」と言われたりします.
つまり,最終的に得られる結果は等しくても,提示されるメッセージによって,選択者の意思決定の際の不安を大きくしたり,小さくしたりすることが出来るというものです.
面白いですよね.
医学系の授業では,こういうことを学んだりします.
計算ばっかして疲れた脳へ,さらに心理的な側面を分析することによって追い打ちをかけるのが,医学研究科と言っても過言ではないです(すみません嘘です).
話を戻しますと,情報提示にはそのやり方によって,意思決定を積極的もしくは消極的に操作する事が出来るということです.
他にも面白い例があるので,みていきましょう.
Nudge(ナッジ)とは
Nudge(ナッジ)って聞いたことありますかね.
科学的分析に基づいて,人間に正しい行動をとらせようとする戦略の事です.
現在,世の中の広告や様々な身体的活動においては,Nudgeを使った工夫が多くされており,人々の行動が操作されていたりします.
(皆さんが知らないだけで,,,,)
例えば,喫煙者に対してタバコを吸う割合を減らしたければ,どういう戦略をとるか.
答えは超簡単ですけど,考えてみましょう.
単純にタバコの値段を上げる事でしょうか.
タバコは1日10本まで,みたいな法規制でしょうか.
身体に害があることを問い続けることでしょうか.
Nudge的にはどれも違います.
答えは,「ライターや灰皿など喫煙に繋がりそうなものを目の届かない位置に配置し,喫煙者のタバコを吸う機会自体を作らない」というものです.
こういう工夫で人間を操作するのはNudgeだったりします.
また,面白い例では以下のようなものがあります.
身体的な活動である公共の建物の上の階への移動の際には,単純にエレベータを停止するのではなく,階段の壁面に有名な絵画や,魅力的なオブジェを配置する事によって,人々が自発的に階段を上るかもしれません.
この事は自発的に階段を選択しているので,心理的にストレスなどは感じないと思います..
世の中にある全てのものに目を光らせると楽しい発見があるかもしれません.
最後に
最初に述べたフレーミング効果(生存率ホニャララ%)は,上のNudgeの例で挙げた自発的に階段を上る事と同じですね.
つまり「生存率が99%」と言われるとあまり抵抗がなく手術に臨めるような気がするのです.
人々の行動を正しく誘導するために,また選択の際の心理的なストレスを軽減する為にもフレーミング効果を使った情報提示の仕方は重要だということなのです.
上にあるこういう工夫は素敵なのです!
つい,階段を選択させられるのです.
メンタリズムの罠読んだら,99%人生が楽しくなりますよ
(すみません,これも嘘です)