- 脳波解析をしている人!
- ZMPの脳波計を購入したい人!
- 脳波解析に少しでも興味がある人!
こんにちは.普段,脳波解析をしているけんゆーです(@kenyu0501_).
今回は,研究用として使用するコードレス脳波計が欲しくて色々試していますが,『ZMP』の8チャンネルのワイヤレス脳波計をレンタル(有料:3万円)したので,少しレビューしときます.
弊ラボの研究グループのメンバーにつけてもらって,脳波計の評価(実験)をみんなでしました.
結局購入には至りませんでしたが,,,(オチ)笑
ZMP 8chワイヤレス脳波センサ BR8
今自動運転で色々と注目を浴びているZMP,実は脳波計も出しているのですね.
そのZMPが扱っている脳波計はこちら
(公式HP:https://www.zmp.co.jp/products/br8)
弊ラボに届いた装置のカラーは青ではなく,オレンジでした!
プラスチックの外装に包まれた,ヘルメット型のおしゃれな脳波計です笑
ワイヤレス通信が可能のため場所を選ばずに計測可能で、集中状態、乗り心地や楽しさといったフィーリングの評価などで、自動車分野のみならず、ヘルスケア、ニューロマーケティング、エンターテイメント分野での研究開発にご利用頂けます。
【主な用途】
・自動車のドライバーのフィーリング評価の研究
・眠気の検知、計測に関する研究
・集中力のトレーニング
・ニューロマーケティング
・ヘルスケア、エンターテインメント分野の研究
・健康機器、家電等のユーザインタフェースの評価公式HPより
ワイヤレス脳波計の気になる点
機器購入となると,予算的な部分と,今後実験していくにあたりマシンの使いやすさがすごい気になります.
そのため,以下の点について使ってみて評価して行きます.
- 脳波信号が安定的に取れるのか?
- 体動や表情筋の影響はどうか?
- Bluetooth信号はどこまで飛ぶのか?
- 着け心地はどうか?
- 実験はしやすいのか?
- 取得したデータの取り扱いは良いのか?
ラボでの実験
実験のプロトコルとしては,機器の使いやすさなどをテストするだけなので,そんなに具体的には組んでいませんが,とりあえずこのような条件設定を組んでます.
とりあえず条件設定とか色々
今回は,8箇所の脳波を測定しました.
(画像参考:http://www.miyuki-net.co.jp/jp/seminar/tDCSImplementation/tDCSImplementation.shtml)
脳波測定箇所は,10-20法と呼ばれる国際的な基準法で測定してます.
測定がきちんとできるかに加えて,着け心地や表情筋の影響も見たかったので,10分程度のお笑い(2017年M1グランプリ決勝)を見てもらっている状態を確認しました.
おいらを含めて10人くらい,,,できる限り多くの人に協力してもらいしました(やりすぎた感もあります.)
装着の様子!電極がドライタイプ(バネ,金属針)で若干押し付けたら痛いくらいですが,10分くらいなら気になりません.寝れませんが...笑
装着もそんなに重くないので付け心地は悪くないですよ.
生波形の観察はこのような画面(付属ビューアーです)
実験様子:協力者その1
ちょっと脳波計の様子が見難くてすいません.
笑っていない時には,安定的な脳波測定が行えます!バッチリです!
しかし,当たり前ですが,顔の筋肉が動くと,筋電ノイズが乗ります.
人によってどの箇所に多くノイズが混入しやすいのか様々ですが,やはりおでこに付けた前頭葉と,側頭葉にノイズが目立ちました.
動画もあるのですが,プライバシーの観点から静止画でお許しください.
しかし,かなり微小な微笑みでしたが乗りますね.爆笑したときはかなり全体に爆笑ノイズが乗ります.
脳波解析するかいがあります.
脳波解析って基本的にノイズとの戦いなんですよね....
また,体動についてはこちら
若干の体動で結構なノイズが入ります.全体にノイズがかかるとノイズキャンセルし易いのでいいですが,微動で乗るんですね.当たり前ですが.
ワイヤーがないので,もうちょっとノイズが乗らなければ嬉しいんですよね.
実験様子:協力者その2
二人目の協力者です
瞬きノイズも綺麗に入ります!瞬きによる正確な筋電を取得できてますよ!!笑
笑った時も様々ですね!人の世って違います.帯域制限をかけても変わります.まあそれは後でFFTしたら良いのですが.
使って見た感想
とりあえず,初めに言っていた調べたかったことを簡単にまとめます
- 安定性? → 3分くらいのタスクなら良いが、長期は取れない。
- 体動? → コードレス化によって、自由度は上がったが、、、、
- ブルートゥース? → 部屋の影響もあるが、結構離れるとだめ!
- 着け心地のよさ → 15分くらいなら大丈夫。人によっては痛いみたい。
- 実験のし易さ → 頭皮につけるセンサーがドライ式なので簡単だしすぐにできる。
- データ → レンタル版だからかもしれないが取り扱いにくい!慣れもあるかも
10人くらいお笑い映像を見てもらったのですが,笑った時にでてくるノイズや瞬き,体動によって生じるノイズなど様々です.
ワイヤレス脳波計ということもあり,コードがない分ノイズが強く出ないと思いましたが,そこそこ出ました.
各種学術論文などでもZMPの脳波計は使われていたりするので,ある程度の信頼性はあると思いますが,価格を考えてもうちょっと考えたいですね.
ただ,使いやすさに関しては,電極がドライ型なのですごい使い易いと感じました.
普段はウェット型を使っているので実験後にベタつきが気になったりするのですが,このワイヤレス脳波計は非常に楽です.
実験も人に頼み易い!笑
気になるお値段は...
税込で55万円!!!お!
まあ,これで学術論文が2,3本かけて次なる予算を回収できたら安いのですかね.
他の脳波計ももっと高いのがありますし,8チャンネル同時に取得でき,かつ適宜フィルタ処理してくれるならいいかもですね.
15万で買える14チャンネルのEmotiv(おもちゃ)は15万くらいですからね.
試しに脳波計測したいという方なら,Emotiveとかの方がいいのではないでしょうか!
では!