アルコールは完全なる健康被害!ちょっとの量は良いとか嘘!らしい【論文発表】
この記事はこんな人にオススメです
  • お酒を日常的に飲む人
  • お酒と健康についての関心がある人
  • お酒に関する研究をされている方

こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
世界的権威な学術雑誌THE LANCETで発表された,お酒と健康に関する論文がとても興味深かったのでシェアします.

英タイトルは「Alcohol use and burden for 195 countries and territories, 1990–2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016」です.
無料で読めます.

無理やり日本語訳にすると,「195の国および地域におけるアルコール摂取と健康被害、1990年 – 2016年:世界的な疾病被害の調査のための系統的分析」とかでしょうか.
この論文によると,誰もアルコールを摂取するべきではないと結論づけてます.

レビュー:どのような内容か!?

この論文によると,世界的にみても,「お酒を飲むことは病気を引き起こす主要な危険因子」だそうです.
ちょっとのアルコール摂取は健康に良い」などと言っている方もいるようですが,この研究成果によるとそれは嘘のようですね.

アルコールによる全ての原因で生じる死亡率、特に癌の危険性が消費量の増加とともに上昇するようです.
消費量がゼロ以外の対策は無いようです.
(ウコンとか,牛乳とか,水をよく飲むとか,そういった対策をしても無駄です.アルコール消費量をゼロ以外の方法はないです.)

これらの結果は,世界的なレベルでアルコール消費量を減らす方向に動いていきそうですね.
また,アルコールの規制政策が世界的に見直される必要があるかもしれないことを示唆してます.

ペンのすけ

個人的には,お酒をかなり飲むので,興味深い記事ですな

研究の調査は!?どのくらいの人がお酒を飲んでいるのか?

この研究は,1990年から2016年にかけて,195カ国で行われました.
その中から694の研究データを算出し,世界共通の飲酒の程度と健康リスクの関係を調べたようです.

どのくらいの人がお酒を飲んでいるのか?

世界全体では,3人に1人(32.5%)がアルコールを飲んでいるようです.
数が多いので不確実性がありますが,ほとんど正しいようです.
毎日の消費量に関しては,女性は0.73アルコール飲料を消費し,男性は1.7の飲料を飲んでいるそうです.
(飲酒者が毎日消費している純粋なエタノールのグラム数としてアルコール使用量を推定した相対値,詳しくは論文へ!)

ペンのすけ

結構飲んでるね!

飲酒率は世界的に異なり,現在の飲酒者の最大数はデンマーク(女性の95.3%,男性の97.1%)であり,最も低いのは男性がパキスタン(0.8%),女性がバングラデシュ(0.3%)のようです.
さすがデンマークですね.

また,1日にたくさん飲む人種に関しては,ルーマニアの男性とウクライナの女性が最も多く飲むそうです(それぞれ1日8.2と4.2の飲み物).
パキスタンの男性とイランの女性は最も少ないようです(それぞれ1日の0.0007と0.0003の飲酒).
イスラム圏なのでしょうがないですね.
ちなみに,パキスタンの西側にイランがあります.

お酒による死亡率が低い10カ国

2016年にわかった15~49歳のアルコールに起因した死亡率が低い10カ国は以下です.

  • クウェート
  • イラン
  • パレスチナ
  • リビア
  • サウジアラビア
  • イエメン
  • ヨルダン
  • シリア
  • モルディブ
  • シンガポール

赤で示した国が中東です.

ペンのすけ

やはり中東はお酒による死亡率が低いね

お酒による死亡率が高い国10カ国

では,逆に,死亡率が高い10カ国は?というと以下のようです.

  • ロシア
  • ウクライナ
  • リトアニア
  • ベラルーシ
  • モンゴル
  • ラトビア
  • カザフスタン
  • レソト
  • ブルンジ
  • 中央アフリカ共和国

青で示した国は,バルト海,東ヨーロッパ,または中央アジアの国でした.
お酒を飲んでそうなイメージがありますね.

安全なアルコール飲料はあるのか!?

この研究の報告では,アルコールの種類によって,病気のリスクが上がるというものは分かりません.
飲むとダメらしいですね.
つまり,ビールやワイン,その他お酒は全て,癌や心血管系の病気リスクが上がるようです.

ペンのすけ

赤ワインは健康に良い!も,完全なる嘘だぞ

世界全体では,アルコールは早期死亡および疾病の7番目の主要な危険因子であり,女性の死亡の2.2%および男性の死亡の6.8%を占めているようです.
15〜49歳の人に限っては,アルコールが2016年の主要な危険因子であり,女性の死亡の3.8%,男性の死亡の12.2%がアルコールに起因しているといいます.
(この年齢層におけるアルコール関連の死亡の主な原因は,結核(死亡の1.4%),交通事故(1.2%),および自傷行為(1.1%)のようです)

病気で死ぬリスクも上がりますが,お酒を飲んだ状態がそもそも危険で,交通事故にあうリスクも大きくなるようですね.

論文の主張と今後のお酒との付き合いは!?

論文での主張は,「健康のために,人々のアルコール摂取レベルを下げるか,完全に棄権するか」のいずれかを奨励するための政策を見直す必要があり,非常に緊急の必要性があるようです.

20年後や30年後はアルコールに規制がかかる世界が来ているのでしょうか.
お酒をもともと飲まない人には,大して気になる論文でも無いと思いますが,お酒をかなり飲む人は,こういう事実を知っておくと良いかもしれません.

お酒を飲むことでストレスが緩和できたり,コミュニケーションが円滑になったりする人もいると思うので,お酒は生活において完全に悪だ!とは言い難いのですが,健康被害や死亡リスクが上がるのは事実ですね.

ペンのすけ

適度に楽しく飲みましょうね