物体をどう見るのか?質点?剛体?連続体?きちんと定義を確認しましょう
この記事はこんな人にオススメです.
  • 機械工学を専攻している大学生
  • 振動や機械力学が好きな学生
  • 専門用語の確認をきちんとしておきたい人.

こんにちは.
以前書いた「梁や板に加振したときの固有振動数と固有モードを計測する実験


にて,専門用語がかなり出てきたと思うので,この記事では物体を見る時の「質点」,「剛体」,「連続体」といものについて書きたいと思います.

質点と剛体,連続体について

よく振動工学の分野では,解析したものや調べたいもの,つまり対象に応じて,物体をどのように見れば良いのかが問題になります.
物体をどう見るかという時に,それを「質点」と見るか,もしくは「剛体」と見るか,または「連続体」と見るかで大きく違います.
はじめにそれぞれの力学的物体の関係を示しておきます.

これらは,可能な運動の種類が異なります.大きく分けて3種類の運動がありますが,以下の通りです.

それぞれ

  • 位置の変化(直進または並進)
  • 姿勢の変化(回転)
  • 形の変化(変形)

質点や剛体,連続体という概念は,物体が運動できる範囲に違いがあるのですね.

質点とは

質点」とは,物質を見る時に,質量だけを持った点という見方をします.
つまり,その全質量が中心にグッと集中したような取り扱いで,大きさや形のない仮想物体ですね.
まあ,イメージとしては,物体の質量をぎゅっと凝縮させてビー玉のように見るという感じでしょうか.
運動の種類としては,位置の直進運動が可能です.

ペンのすけ

もっとも単純な運動だけを見たいとき!

剛体とは

次に,「剛体」という概念について説明します.
質点は大きさや形のない仮想物体でしたが,剛体になると,質点に加え大きさと形があります.
イメージとしては,回転する円盤とか振り子とかです.
これらは,変形はしませんが,直進運動に加えて,回転の運動が可能になります.
回転が入るのでモーメントの概念が出てきて,手計算が一気に難しく感じますが,まだいけます笑

ペンのすけ

回転を考えたい時!

連続体とは

一方,「連続体」とは,空間的に質量が分布しているものです.
物体をモデル化した時に,もっとも解析が難しくなります.
手計算では詳細に運動を見ることがこんなになるので,パソコンが必要になったりします.
しかし詳細を知る時には欠かせません.
イメージしやすいと思いますが,物体のほとんどは連続体です.
あえて例えるなら棒とか板とか,そういうのは連続体でモデル化されることがあったりします.

ペンのすけ

複雑な変形をする運動を見たい時!

連続体は全ての運動に対応しているが,伸びたり縮んだり,あるいはズレたり反ったりといった,剛体や質点にはできない種類の運動(形状の変化)がよく話題の中心になることが多いです.
きちんと定義は理解していきましょう!

ではではー!