脳波の周波数特性を特に気にして研究されている論文

これも自分の研究メモ用として残しておきます.
脳波信号というのは,ある特定の事柄を調べたい!となった時に,じゃあどの周波数帯域を観察したら良いかというのが研究されていたりします.
アルファ波なんてのは結構有名で,安静時(日常生活を過ごしているとき)に比較的安定して生波形に入っている帯域なので,こいつを基準にして解析結果と現象の対応づけがなされたりします.
(アルファ波は8-13 Hzの帯域です.と言っておきます)

しかし,こういった周波数特性に関してはある程度分かっている部分と分かってないところもあるので,そういうことを対象にした論文を読んでここに集めておきます.
基本的にWebで閲覧できるもの,かつ日本語で書かれたものを集めておきます.

α波構成要素の切り出しと解析

本論文はこちら

Memo:参考になったこと
  • アルファ波の位相分析(切り出し方独自)をして,狭帯域波形の特徴を相互相関係数を用いて調べている
  • データ処理参考になる
    (短時間フーリエ変換(ハニング),バンドパスフィルタ,ケプストラム分析,独立主成分分析,その他諸々)
  • アルファ波構成波の振幅と波形幅には時間遅延の相関がある

周波数帯域の処理をかなり丁寧にされていた印象です.
8-13 Hzのデータを切り出す時に,色々と考えられてて話を進めていきますが,図13は見応えのある結果でした.本論文では以下のように説明されています.

1つ目の含有量はほとんどデータが10%未満を示しているが,これは0-4 Hzの周波数をもつ筋電位や眼球運動などのアーチファクトが大半を占めていることが原因と考えられる

これ,ほんとそうですよね.
超低域側を解析領域にしちゃうと,中域と高域の信号の比率がなくなっちゃうのですよね.
おいらもこれまで色々と調べるとここの帯域邪魔だな,ってなりましたもん.

あと,かなりデータ処理に手が混まれていて,脳機能を調べる分には良さそうですが,おいらみたいなリアルタイムで何かしたい人へはちょっと不向きでした.

その他

読みながら加筆しているのでしばしお待ちを