「土 地球最後のナゾ」を読んだ感想【天体の動きは分かるけど足元の土は分かってない】
この本はこんな人にオススメです
  • 地球の土がどのようなものかざっくりと知りたい人
  • 知識欲が強くて雑学関連の本を探している人
  • 化学とか地学とか,地理とかそういう分野が好きな人

こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
このゴールデンウィークに「土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~」という本を読みました.

「土 地球最後のナゾ」を読了しました.
世界に分布する土,のあらゆる事が分かって面白かったです.
個人的に好きなのは,インドネシアの,ボルネオ島の砂資源枯渇の話です,,

地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~という挑戦的なタイトルが付いていますが,あながちこの先20~30年間で考えていかなければならない問題かもしれません.
なぜなら,毎年1億人くらい,地球規模で考えた時の人口が増加しているからです.
日本は少子化で人がいなくなる一方ですけど,世界的に見ると人は増えているんですよね.
そうなった時に,食料どうするの問題が出てくるので,地球上で100億人を養うための土壌はあるのかどうか?ということについて議論しています.

そもそもこの本は,以前おいらが書いたブログ「100億を養うために」で,色々調べ物をしている際に気になったので買ってみた本ですが,想像以上に面白かったです.

どんな本か!?

地球上の人類が100億人になったときに,人類を養うことができる「」について色々と考察がされている本です.
筆者の藤井一至(ふじいかずみち)さんは,土壌学を専門とされている研究者で,世界各国を飛び回り「土」に関しての研究をされている方です.文章はユーモアがあって,難しいはずの話をかなり分かりやすく面白おかしく書かれています.
おいらは化学系の知識がないので,土の化学的な反応に関してちょっと難しい部分もありましたが,読めました.

正直,土に関しては全くの無知だったのですが,日本を含めた世界の土事情に関してかなり詳しくなると思います.

世界には大きく分けて12種類の土が分布していますが,著者の藤井さんは現地(土がある現場:海外)に行きフィールドワークで土を掘りながら研究をなさるんですよね.その12種類の土の研究をするために世界中を回る様子が,ドラゴンボールを集めるようなストーリ性のあるお話に仕上がっていて面白かったです.(12種類の土を集めると,土の神様が現れて願いを一つ叶えてくれるというものはないですが,藤井さんの願いは叶ったのですかね.)
荷物がなくなるとか,色んなトラブルに巻き込まれるのですが,スコップ一本は肌身離さず持っている姿は,分野が違えど研究精神をくすぶります.

面白かった話をざっくりと羅列

面白かった話をいくつかざっくりと紹介しますが,詳細は「土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~」を読んでください.

  • 1969年,アポロ11号のニールアームストロングは初めて月面に着陸し,「人類にとって大きな1歩だ」と言ってますが,それとは別に「え...!とても粒子が細かい!パウダーのようだ!」という言葉も残している.月の土はどうなっているのか!?
  • 子供が風景画で土を描く時,住んでいる地域によって塗る色が違う.黒や茶色だけじゃなく,黄色や赤,白なんて国もある.
  • 日本の土は驚くほど酸性であるが,それは酸性雨が降っているからではない.
  • カナダの石油と基地の町イヌビックでは,萎れた白菜が人束1800円もする.
  • 北欧でウイスキーを作る水は,ウイスキーと同じ茶色である.
  • 腐食を多く蓄積する日本の黒ぼく土は,温暖化を緩和する働きがある.
  • ドイツが2度も世界大戦を仕掛ける動機は,ジャガイモ疫病による食糧難であった.
  • オーストラリアの人々はフンコロガシに救われている.
  • インドネシア,ボルネオ島の国土縮小問題

他にも面白い土に関する話が盛りだくさんなので,良かったら読んでみてください.