【光文社新書大賞】前野ウルド浩太郎さんの『バッタを倒しにアフリカへ』は面白い
この記事はこんな人にオススメです
  • 本を読むのが好きな方
  • バッタや昆虫について興味がある方
  • 「バッタを倒しにアフリカへ」が気になる方

こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
前野ウルド浩太郎博士の「バッタを倒しにアフリカへ」が光文社新書大賞に選ばれたみたいですね.
おめでとうございます.
おいらも去年くらいにこの本を買って読みましたが面白かったです.
アフリカなどで大量発生し農作物に大きな被害を与える”サバクトビバッタ”の研究をするために,実際に現地に行って調査を行なっているバッタ博士です.
バッタを倒しにアフリカでは,その時の発見や体験,苦労や感動など,バッタを中心としたストーリー展開で書かれています.

Youtubeの方で,前野博士の講演があったのでシェアしておきます.

ぜひ見てみてください!

アフリカではサバクトビバッタが問題!?

アフリカの地域では,サバクトビバッタの大量発生が問題になっているようです.
日本でバッタというと,緑色のちっさいやつが野原でぴょんぴょん跳ねている程度で可愛いものですが,アフリカでは違います.
日本のバッタよりも一回りも二回りも大きく,群れをなしたバッタたちが緑という緑を食い荒らすようです.そのため,深刻な場合は,天気予報ならぬバッタ注意報なるものが発令されたり,ひどい場合は殺虫剤をまいたりしているようです.

殺虫剤は毒物なので,人間やその他生態系においても悪影響を及ぼします.
また,殺虫剤をまいている人は,毎年血液検査をするようなのですが,体内のある酵素の濃度が高くなってくると,殺虫剤散布に携わることができなくなるようです.
しかしながら,バッタを放ったらかしにしておくと,莫大な損害があるので,現在のところ致し方ないようです.

しかし,殺虫剤に頼る方法は,生態系を含む環境汚染に繋がるので,その他の解決方法が研究されています.
前野博士は,相変異なるものに着目して,研究・フィールドワークをなされているようです.

殺虫剤に頼らない問題解決方:相変異

相変異とは,バッタの特徴の一つで,周りの環境の混み具合に反応して,行動や形態などの様々な形質を変化させるものです.
あまり周りにバッタがいない環境で育ったバッタは,孤独相といって緑色のちっさいバッタになります.
日本でも普段見かけるおとなしいバッタですね.
しかし,周りのバッタの数が増えてお互いが刺激し合うと,群生相と言われる黒と茶色と黄色が混ざり合った凶暴なバッタになるようです.

そのため,この相変異のメカニズムを解明することができれば大量発生の阻止に繋がるのは?ということで研究をされています.

これまで1万本以上ものバッタに関する論文が出ているのにも関わらず,バッタの大量発生は食い止められないようです.それはなぜかというと,実際にアフリカ以外で研究されている方が現地に行って研究することがなかなか無いということや,現地の人も研究者になって偉くなってしまうと,その研究から外れてしまうことがあるので,未だ生態が明らかになっていないようです.

また,前野さんはバッタがかなり好きなので,バッタたちの暴走を止めてあげたいという愛もモチベーションにあるようです.
著書にはいろんな発見があるので,興味がある人は読んでみてください.