「時間」周波数分析とは!?
この記事はこんな人にオススメです.
  • 「時間」周波数解析について知りたい人
  • 時系列データの解析を行っている人
  • 生体信号(例えば脳波とか)を扱っている人

こんにちは.けんゆーです(@kenyu0501_)

普段は,脳波解析をやっていて,とっかかりにまず周波数解析(FFT)を行うのですが,今日はその話です.

みんなが知っているようで,実は知らなかったなんて発見がちょっとでもあればと思い書きました.

別に脳波に限らず,時系列データを解析するときには,メジャーなツールなのでぜひ読んでみてください.

「時間」周波数解析とは

そもそも周波数解析とは

この解析手法は理系とか工学とか,そういった分野に属しているのであれば,知っていて当然的なものですが,ちょっと掘り下げます.(巷ではFFTと呼ばれていうのはこれです.)

まず周波数解析というものを説明します,

周波数解析とは,時間的に変動しているある信号を,1秒あたりにどのくらい振動しているかという周波数なる基準を用いて,速い周期の波と,遅い周期の波に分ける解析です.

つまり,この周波数解析の仮定では,「時間的な信号」というものは,ある特定の周波数を持つ波の足し合わせで全て表現できる(ちょっとFFTっぽい説明)ということになります.

また,脳波信号では,アルファ波とかベータ波とかよく聞くと思いますが,それは単なる特定の周波数帯域の話です.

周波数会解析を行う時の脳波というのは,基本的に色んな色んな周波数を持ちます.
それが足し合わされて計測されます.(と周波数解析をする際には考えています.)
なので,1Hz(ヘルツ:1秒に1回振動する波)や,2Hz,10Hzや20Hz,様々な周波数を持っています.

アルファ波だと一般的に,8-13 Hzの周波数帯域,ベータ波だと13-30 Hzの周波数帯域のことを差しますが,それだけで脳波は構成されておらず,
よく脳波を計測して「これはアルファ波だ!!」というのは,8-13 Hzの周波数成分が結構多い状態の時だったりします.

割合とか含有量の話です.

では,「時間」周波数解析とは何か?

周波数解析には一つの大きなデメリットがあります.

それは,「時間的分解能の消失」です.

周波数解析をすると,ある領域での周波数帯域の含有量が確認できますが,時間という大事な情報が消えます.

つまり,時系列データの局所的な反応は無視されてしますのです.

でも周波数解析は,非常に便利なツールなので,これをどうにかこうにか活用したい!ってことで生れたのが,「時間」周波数解析です.

「時間」というものは単なる解析を行うための領域です.

この解析を行う領域のことを「ウインドウ」と言ったり,「窓」と言ったりします.

解析を行う幅を決めて,その中で周波数解析を行い,それをずらして行く!ずらした先でも周波数解析を行う.

ということを行えば,反応時間を追うことができるわけです.

つまり,時間的な分解能を保ちながら,周波数解析をするということです!笑

解析対象の中で,どの時間にどのくらいの周波数帯域が多く含まれているのかが分かるのですね.

便利な道具です.

ついでにこの本は「時間」周波数解析がすごく理解できました.