最小二乗法によるパラメータ同定奮闘記4

こんにちは.けんゆーです(@kenyu0501_).
研究アーカイブです.
最近は,毎日研究に加え,スタディサプリで現代文の正しい読み方を学び直したり,オンライン英会話を毎日続けたりと充実した日々を過ごせています.

さてさて,先月からやり始めた「最小二乗法によるパラメータ同定奮闘記」もついに4まできました.
夜な夜な研究活動も頑張っている日々です.
解析条件やモデルの改変みたいなことをずっと繰り返しており,ちょっと危ないサイクルに陥ってます...笑
もう,どうして良いかも若干わからなくなってきてます笑

ここで今おいらは何をやっているのかというと,「脳波信号から,ヒトの状態を推定するための解析手法」というものの模索をしてます.
えーと具体的には,脳波の信号を数学的モデルに落とし込んで,逆問題を解くことによって,モデルパラメタを決めます.

その同定したモデルパラメタを用いて,ヒトの状態を評価したい!ということを,明くる日も明くる日もやっています.

モデルパラメータ同定は,最小二乗法という計算コストが低い手法を用いて試してます!

解析する脳波の再確認

解析する脳波は以下の脳波です.
被験者は4人です.

240秒間の計測のうち,内側の2分間を100マス計算をさせて集中状態としました.
ヒトそれぞれ,リラックス時もストレス時も脳波の状態というものは違いますね.
まあ,当然です.
これをみただけでは,集中してるかどうかなんて分かりませんが,どうにか工夫して処理をしてやることによって,集中状態が評価できるかもしれません.

解析結果は?

以下先に解析結果を載せておきます.

各被験者の脳波データ(左側の4つの波形)に対して,1秒後にモデルパラメタ同定を行なってます.
脳波データの上で動いている赤い線が,解析窓といって,1秒間の幅を持ちます.
この1秒間の間のデータを使って,最小二乗法にしたがってモデルパラメタ同定を行います.

右側の3Dグラフは,モデルパラメタのA,B,Cの値です.
(詳しくは後ほど)
解析窓の中で,A,B,Cの組み合わせが一つ決まるので,今回のような表示が可能です.
またこれらモデルパラメタは,脳波データの値から定める(いわゆる逆問題)ので,脳波の特性を表現している値であると言えます.

ペンのすけ

脳波を視覚的に新しいもので表現し直すっていうことを実現できたら嬉しいね!分かりやすいね!


同定したモデルパラメタの値を確認すると,集中状態の場合は3Dプロットの値が左上に飛ぶということが確認できます.

まだ,具体的な閾値や,このパラメタマップの理解が進んでいないため,いろんな場合を試してみて調べる必要があります.
個人差なども色々とあるでしょうし,たくさんの実験が待っていることでしょう.

今回しようしたモデルは?

Duffing振動子という方程式を元にモデルを作っています.
Duffing振動子は,カオス的な挙動を示すので,モデルとしてワンチャンあるかも!?という感じですね
(ちなみに,生体信号は全てカオス的だと言われてます.脳波も!!)


じっくりDuffing振動子のカオス性を理解したい人はこちら!

面白いのでよかったら読んでみてください!

モデルの検討..

リアルタイムで脳波解析結果を出力したいので,解析アルゴリズムの計算コストやモデルの形状の検討は非常に大事です.

Duffing振動子は右辺に,三角関数の入力項がありますが,逆問題を解くという手法上,悪影響かもしれません.
そこで,右辺をステップ型の入力にするとどうなるのか,という検討をしました.

検討する周波数なども,低周波成分の影響が大きいので,抜いたりして,パラメタ同定を永遠と繰り返して,各モデルパラメタの相関をとったりしてます.
(こういう地道な作業はすごくめんどくさいけど,研究ぽい,,,)

以下は,モデルを変えた時の各パラメタの相関値を調べています.
また,リラックス状態と集中状態の時間的推移を確認してますし,さらに被験者ごとの影響もみてます.
かなりビジーな図なので,飛ばしてください.
(自分用ですので)

いろんな状態を探して,これは良いぞ!って思ったところ決めていきたいですが,,,色々と片手間にデータを眺めて,考察していきます.

以上研究アーカイブでした.