肥満の最も大きな原因は「ホルモン」である【摂取カロリーが多いことでも運動不足なことでもない】
この記事はこんな人にオススメです
  • 体重を落とす科学的かつ効果的な方法を知りたい方
  • 肥満の本当の原因「インスリン」について知りたい方
  • 運動やカロリー制限がなぜ痩せないのか?理由を知りたい方

こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
最近,ダイエットと同時に身体に関する科学について調べています.
身体に関する適切な知識がつけば,効果的なダイエットが可能だと思います.

ただ闇雲にダイエットをしても絶対に失敗するので,まずは「太る原因をきちんと把握すること」が大事です.

そこで今回は実際に調べて分かった肥満の原因に関しての真実をまとめていきます.
研究論文やそれら論文をまとめた文献などを引用して,分かりやすく整理します.

肥満の最も大きな原因は「ホルモン」!?

タイトルにもついてますが,肥満の最も大きな原因は,「ホルモン」です.
体内のホルモンバランスが崩れることによって,人は太ります.

具体的に言うと,血中の「インスリン」というホルモンの発生,「インスリン抵抗性」というホルモンバランスの乱れによって人は太り出します.

食べ過ぎや運動不足が肥満の主な原因とうたっているところ(Webページやサービス,書籍)があったりしますが,「主な」原因ではないです.つまり,食べること(一日の摂取カロリー)を抑えても,運動しても痩せません.一時的に体重は減りますが,ホルモンバランスの改善がない限りリバウンドします.

では,ホルモンとは何か!?そしてインスリンと何か!?ということや,なぜ食べ過ぎを抑えたり,運動をしても痩せないのか,ということについて具体的に紐解いていきたいと思います.
(こちらの本がかなり参考になりました)

ホルモンとは!?

 ホルモンとは,標的である細胞に情報を伝える微分子のことです.
人間の体は,状態を一定に保つホメオスタシスという働きがありますが,それを支えている物質がホルモンです.食欲や脂肪の蓄積,血糖値の調整などはホルモンの働きによって起こります.
ホルモンは,体の中で細胞同士の情報伝達を担っている重要な役割をしています.
情報伝達を行う際には,標的細胞の表面にある「受容体」を介して,ホルモンが標的細胞と結びつかなければいけません.

ホルモンの中でも体重増加と深く関わりがあると知られている「インスリン」について掘り下げていきます.

インスリンとは!?

今回の肥満の原因と深く関わりのあるインスリンは,エネルギ代謝を調節するホルモンです
すい臓(ランゲルハンス島という組織にあるベータ細胞)で作られており,食事によって血糖値が上がると分泌されます.
また,脂肪の蓄積を促進する働きのある基礎的なホルモンであることが知られています.
インスリンは,インスリン受容体に働きかけてブドウ糖(血糖)を細胞内に取り込ませる働きがあるのです.
ざっくり言うとこのときに細胞にエネルギーを送ると同時に太ります.

インスリンの役割は!?

インスリンは,食事をすることで分泌されます.
(インスリンが分泌されないものもあるので,後で取り上げます)
ざっくりとした流れを説明します.

インスリンの役割のポイント
  1. 食事で炭水化物や脂質を摂ると体内で分解されブドウ糖(血糖)になります.
  2. ブドウ糖は血液を介して全身をめぐり,エネルギーとして使われます.
  3. エネルギーとして利用されるために,細胞(脳や筋肉,内臓)に血中のブドウ糖を運ぶのがインスリンの役割です.

おいら達の身体は,血中のブドウ糖(血糖)をエネルギーとして動いています.
この血糖は,お米やパンなどの炭水化物や糖分などから取られます.
精製(加工)された炭水化物は血糖値をあげやすいです.この血糖値が上がるとインスリンが分泌されます.
ちなみに,タンパク質もインスリンの分泌を促しますが,食物繊維は血糖値もインスリンの分泌量もほとんどあげることはありません.

インスリンの働きは,おいら達がエネルギとして使用する血糖を細胞内に取り込ませるための働きをするのですね.
(ちなみに,十分な量のインスリンがない場合は,血中の血糖の量が高い状態になります.
この状態を糖尿病と言います.)

インスリンが上手に働かない場合!?

インスリンが適切に働かない場合は,血液中の血糖が通常よりも高い状態になります.
この高血糖の状態は糖尿病と言われます.糖尿病には1型と2型があり,それぞれの治療にはインスリンが投与されます.なんとインスリン投与は糖尿病患者には必要なものですが,増やせば増やすほど太ります.

以下の論文に詳しく書いていますが,多くの研究でインスリンの投与は太るということが立証されています.

ちなみに糖尿病の1型と2型の違いは以下です.

1型糖尿病
  • すい臓にあるインスリンを分泌する細胞が壊れてしまい,インスリン分泌量が低くなってしまう状態.
2型糖尿病
  • インスリン値は高いが,体内の細胞がインスリンに対して抵抗性を持っている状態.

インスリンは血糖を細胞に運ぶ重要な役割を持っていますが,このバランスは大事なのですね.
多すぎても少なすぎてもダメなのです.
インスリンのホルモンバランスの乱れとして,「インスリン抵抗性」というものがあります.
一度に多量のインスリン分泌慢性的なインスリン分泌があると,インスリン抵抗性が発言します.
これは肥満の最も大きな原因です.

インスリン抵抗性とは!?

インスリン抵抗性というのはホルモンバランスの乱れで,必要量以上のインスリンが分泌される状態です.
普通の人であれば,適切なインスリンの量で上手く血糖を細胞に運ぶことができます.
しかし,普段から多量かつ長時間にわたりインスリンを分泌させている人の場合は,身体が抵抗性を持って,通常の量のインスリンでは足りなくなります.

インスリン抵抗性が高いほど,インスリン分泌量も増えて,肥満への悪循環になります.

ペンのすけ

この悪循環に陥っている人は,だいたい肥満になっているよ.インスリン抵抗性があるので,食べたものに関係なくインスリンが多量に出ているよ.

太っている人はだいたいインスリン抵抗性があるので,痩せている人よりもインスリン分泌量がかなり多く分泌されていると思います.
なので,肥満の人は,まずはこのインスリン抵抗性をどうにかしなければいけません

痩せたければ食事のタイミングに気をつけよう

肥満の人はだいたい,インスリン抵抗性があるので,インスリン分泌が多いです.
なので,食事のタイミングや回数に気おつけて,インスリンの分泌を日常的に下げる方法が最も効果的です.(もちろん,食事の内容も大事なのでポテトチップスとか加工食品の摂りすぎはNG!何を食べるか?に関しても大事ですが,ある程度の知識はあると思うのでここでは割愛)

以下の図に示すように,食事をした後はインスリンが分泌するので,インスリン抵抗性の人は時間をかけてインスリンが分泌する食事の回数を減らすか,食事の間隔を短くしなければいけません.

断食(ファスティング)が効果的

インスリンの分泌に晒されている時間が多ければ多いほど,インスリン抵抗性になりますし,太ります.
つまり痩せたければ,1日の中でインスリンの分泌量が少ない時間を設ける必要があるので,断食(ファスティング)が効果的です.
最近だと,メンタリストDaigoさんも断食(プチ断食)をものすごく支持していたります.

1日に5回も6回も食事をする人や夜遅く食べた後に,朝早起きしてご飯を食べるのも太ります.

断食(ファスティング)が効果的な理由
  • 太るホルモンである「インスリン値」が低い時間を作り出し,インスリン抵抗性を改善できる.
  • 体がエネルギー源として血糖ではなく脂肪が燃え始める.
  • 成長ホルモンの分泌を促す(骨密度や筋肉量を高める).
  • アドレナリン数値が上がり代謝がよくなる.

断食には色々なメリットがありますが,効果的なやり方(日にちや食べ物)などはまた後ほど記事を更新します.

ちなみに,断食以外の有名なダイエット(カロリー制限や運動)では脂肪は落ちません
一時的に落ちる場合もありますが,インスリン抵抗性などの理由でまたリバウンドします.
カロリー制限ダイエットや,運動によるダイエットの失敗は過去に多くの論文で出ています.
以下をご覧ください.

摂取カロリーが肥満の主な原因ではない

多くの研究によって示唆されている最近の事実は,「摂取カロリーと体重増加には相関関係および因果関係がない」ということです.ちょっと前は相関関係はあったようですが,最近の事実は違います.
アメリカで1990年から2010年に行われた研究(論文はこちら↪︎Obesity, Abdominal Obesity)では,摂取カロリーと体重増加には関係がないということが発表されました.
また,同様にイギリスでも因果関係がないということがわかっています.
(論文はこちら↪︎gluttony in england long-term change in diet)
またこれらの研究では,肥満率は増加しているのに対して,摂取カロリーは減少していました.

つまり,現代の体重増加メカニズムの間違った理解は以下のようなものだと思います.

摂取カロリー」ー「消費カロリー」=「体脂肪(体重増加)

この引き算は正しくないのです.
間違っています.
(多くのWebサイトでこのシンプルな引き算が見られます)
人間の体がこのようなシンプルな法則に従って作られているのであれば,ダイエットなんてものすごく簡単です.
だって,摂取カロリーを下げるか,消費カロリーをあげれば良いからです.
しかし,身体は非常に複雑なシステムであるし,摂取カロリーも消費カロリーも互いに深く関係性のあるものなので,どっちか一つをコントロールすることはできません.

また,驚異的な事実ですが,身体の太るメカニズムを知らないと,食べる量を減らすダイエットは,以前よりも太るということが知られています.
一時的には痩せますがリバウンドします.こういったリバウンドは意志とは無関係なので,とても可哀想な話です.
ここら辺の事実は,過去大規模な実験をして明らかになっています.

運動不足も肥満の主な原因ではない

これも衝撃だと思いますが,人間の消費カロリーは代謝(熱生成とか呼吸とか,生体を維持するためのエネルギー)により多く使われるので,運動しても痩せません.
毎日32キロ歩いても,一般の成人男性と消費カロリーはほとんど変わらないことがわかっています.
論文はこちら↪︎Debunking the Hunter-Gatherer Workout

肥満率の上昇は世界的に見ても問題視されているので,各国は国民に運動を促すような政策に多くのコストを投入してきました.運動量を増やして肥満解消を試みた調査があります.
アメリカの例ですが調査結果は以下にあります.

2001年から2011年にかけて,アメリカ(ケンタッキー州,バージニア州,フロリダ州,南北カロライナ州)では国民の運動量はかなり増えましたが,体重は全く減らず,もちろん肥満率は下がりませんでした.

これらの結果は,運動不足が肥満を促すというものではないという結果です.つまり運動は有効ではないことを示唆しています.多くの研究論文が出ていますが,これら結果は子供にも適応されます.
論文はこちら↪︎association between objectively measured sedentary behaviour and body mass index in preschool children

ペンのすけ

運動しても肥満は解消しないよ!